柿タンニンはデオドラント製品の中では殺菌や抗菌効果を狙って添加されていることが多いものです。柿のタンニンが利用されるのには理由があって、タンニンと呼ばれるもののなかでも作用の強い代表的なものとして知られているためです。
タンニンはタンパク質、アルカロイドを変性させる性質のものです。タンパク質と強く結合してしまうため抗菌効果を発揮します。石鹸・ボディソープ中にあれば汚れや腐敗物、雑菌などと結合して洗い流すのに役に立ちます。アルカロイドは多くの体臭・加齢臭の成分です。これとも結合する優れものです。
また人間の肌のタンパク質に対しても収れんという形で影響を及ぼします。結果として余分な分泌を抑えることになり、新陳代謝を促進します。
炭の中でも竹炭は注目すべき性質があって臭い対策のために使われます。炭は古くから燃料として使われてきたもので、ガスや電気などのエネルギーが普及した現在でも料理のために重宝されています。
炭は焼き方や燃焼温度をコントロールすることで燃焼に必要な炭素を残すことができ、香りを大切にする料理で雑味を入れない使い方に利用されます。炭素以外の余計なものをなくす工程で、他のものが無くなったところは微細な穴として残ります。
炭はここにいろいろなものを吸着する性質も持っています。竹炭はこの穴をとても細かく焼き上げることができ、この吸着力を利用して臭い対策に使わるようになりました。石鹸・ボディソープに使われると、目に見えない微細な穴に体臭・加齢臭をどんどん取り込んでくれるのです。
優れた殺菌力を持つとされているのが銀です。銀は人類が貴重な金属として価値を認めて来たものの代表格です。貴金属としてだけでなく実用的な利用法も多く、人の身体の代わりに使われるものとしては、歯科の保険治療で、銀合金の詰め物としての利用などがあります。
毒性が低いとされてきた銀ならではの処置です。浄水器の殺菌装置としての利用や入浴施設での利用など、効果的に使うために銀イオンを水中に放出させる使い方となっています。デオドラント製品としては、さらに工夫がされています。
臭い対策を考えるにあたっては銀の殺菌力を最も利用できる方法として銀のナノコロイド化が考えられています。ちなみに水銀とは水に溶けた銀のことではありません。水銀は銀とはまったく別の種類の金属です。
ポリフェノールには殺菌力があるといわれ、特に殺菌力が認められるポリフェノールはタンニンとカテキン。タンニンは柿タンニンとして触れましたので、ここでは特にお茶から抽出できるカテキンの話をします。
デオドラントで利用されるのも、タンニンを別とすればカテキンが主なものです。ポリフェノール類は光合成によって生成されるものの総称です。ということで植物由来のものということになります。
タンニンと同様にタンパク質やアルカロイドなどの変性作用がありますから、臭いのもとと結びついて石鹸やボディソープで洗い流すことに役に立ちます。酸化防止作用があって、体臭のもとが作られるのを防止します。加齢臭のもととなるアルデヒドなどは酸化によって作られるものです。