「アンドロステノン」という男性ホルモンが生み出す男の臭いというものがあります。この臭いは、女性よりも男性に多く含まれているため、女性にはあまり馴染みがない臭いです。男臭さといえばそれまでですが、女性にはなじみがないだけに鼻につくのですね。それも、どちらかというと臭いにおいと判断されます。
ワキの下にあるアポクリン汗腺から男性ホルモンが分泌され、そのホルモンと皮膚の常在菌が代謝してできる化合物が「アンドロステノン」です。代謝するときに、汗の臭気と混じるので臭くなってしまうのです。男性ホルモンが生み出す成分なので、女性には少ないというわけです。
男性にとっては当たり前の臭いなので気にならないようです。
汗臭さや体臭とは明らかに違う加齢臭。その正体は「ノネナール」です。どう違うかという、臭いの発生経緯が違います。汗は皮膚から分泌された汗成分が雑菌と化合することによって臭いを発生するのですが、「ノネナール」は発生した皮脂が酸素と結びついて酸化した物質です。汗ではないのです。特に、臭うのは頭皮やTゾーン、耳の後ろ、胸などで、ワキではありません。
ですから、対策をする場合にも「ノネナール」が発生している部分の対策を行わないと臭いを消すことはできません。また、制汗剤を使っても臭いの発生理由が違うので効果も期待できないということを知っておきましょう。加齢臭用のボディソープやグッズを使って対策をすることになります。
廃油みたいな酸化したような臭い。それがミドル脂臭というもので、その原因となっている物質が「ジアセチル」です。実をいうと、この「ジアセチル」、食べ物にも含まれている成分で微生物による発酵が行われるときに発生するものです。
なんだか体によさそうな感じがするのに、なぜ嫌な臭いになるのでしょう。それは、汗に含まれる乳酸が人の皮膚にあるブドウ球菌で分解されたあとに、空気や紫外線に触れて酸化した皮脂の臭いとの相乗効果で、臭いが強くなってしまうからです。
汗の中にある乳酸が過剰発生しないようにすれば臭いを抑えられます。運動をしすぎたり、血流が悪いと乳酸が発生する原因になるので、ほどほどに体を動かすことと、体にいい食べ物をバランスよく食べることが対策のひとつとなります。